民事再生には「住宅ローンに関する特則」と呼ばれる特則があります。民事再生について紹介する上で、触れておかなければならないのが、まさにこの住宅ローンに関する特例と呼ばれる件です。マンションにせよ、一戸建てにせよ、マイホームを持つことを多くの人が夢見ています。折角夢にまで見たマイホームを買ったというのに、残念ながら多額の借金を抱えたが故に債務整理を行わなければならなくなった場合、この不動産がある意味大きなネックとなります。何故ならマイホームを持っていて、尚且つ住宅ローンが残っていて、それでいて多額の借金を抱えている人にとっては、この住宅ローンが借金の中でもかなり大きなウエイトを占めているはずだからです。従ってこの住宅ローン及び不動産の処遇が債務整理の際の大きな問題となります。何度も紹介したように、債務整理には民事再生以外にも様々な方法がありますが、その中の一つである自己破産を選択した場合には、借金が帳消しになる一方で手持ちの不動産は処分されることになってしまいます。それに対し、債務整理で民事再生を選択した場合には事情が少々異なってきます。民事再生の場合には、住宅ローンに関する特則があって、民事再生の申し立てをする際住宅ローンを抱えている人であれば誰でもこの手続きを取る事が出来るようになっています。この住宅ローンに関する特則に定められた手続きを行なった場合、民事再生による債務整理を行うことになっても、住宅ローンをこれまで通り返済していく事で手持ちの住宅を残す事が出来ます。もしも借金整理の過程で、折角苦労して買った不動産を手放したくないという債務者にとっては、まさに有り難い制度だと言っていいでしょう。
勿論逆に住宅を手放してより一層身軽になりたい、といった選択肢もあります。実際に民事再生によって債務整理を行う場合には、ケースに応じてのそれぞれ選択を行うことが必要なのです。とはいえ、自分が買った不動産を残すか残さないか、といった選択ができるということだけを見ても、数々ある債務整理の中で、民事再生は比較的融通の利く方法だと言えます。
最終更新日:2024/6/6